床の傾きは、様々な原因によって引き起こされますが、ここでは、代表的な原因である、不同沈下、地盤沈下、建物の歪みの3つについて、詳しく解説します。まず、一つ目の原因は、不同沈下です。不同沈下とは、建物の一部だけが沈下する現象のことで、地盤が軟弱であったり、地盤改良が不十分だったりする場合に発生しやすくなります。不同沈下は、建物全体に歪みをもたらし、床の傾きや、壁のひび割れ、ドアや窓の開閉不良などの不具合を引き起こすことがあります。二つ目の原因は、地盤沈下です。地盤沈下とは、地盤が広範囲にわたって沈下する現象のことです。地盤沈下は、地下水の過剰な汲み上げや、地震などの自然災害によって発生することがあります。地盤沈下が発生すると、建物全体が沈み、床が傾いてしまうことがあります。三つ目の原因は、建物の歪みです。建物は、経年劣化や、地震などの影響で、歪んでしまうことがあります。建物が歪むと、床も傾いてしまうことがあります。特に、旧耐震基準で建てられた建物は、耐震性が低く、建物の歪みが発生しやすい傾向があります。これらの原因を理解し、床の傾きの原因を特定することで、適切な対策を講じることができます。ここでは、床の傾きを放置した場合の、主なリスクについて解説します。まず、一つ目のリスクは、建物の耐久性の低下です。床の傾きの原因が、建物の不同沈下や、構造上の問題にある場合、建物の構造部分に負担がかかり、建物の耐久性が低下する可能性があります。柱や梁が歪んだり、ひび割れが発生したりすることで、地震の揺れに弱くなり、倒壊のリスクを高める可能性があります。二つ目のリスクは、雨漏りの可能性が高まるということです。建物の傾きによって、外壁や屋根に隙間ができると、そこから雨水が浸入し、雨漏りが発生するリスクが高まります。雨漏りを放置すると、木材が腐食し、シロアリが発生する原因にもなります。三つ目のリスクは、居住者の健康への影響です。床が傾いていると、平衡感覚が狂い、めまいや、吐き気、頭痛などの症状を引き起こすことがあります。また、身体の歪みや、腰痛、肩こりなどの慢性的な痛みの原因になることもあります。四つ目のリスクは、日常生活に支障をきたすということです。ドアや窓の開閉がしにくくなったり、家具が安定しなくなったり、物が転がりやすくなったりするなど、日常生活に支障をきたすことがあります。