前段では、地盤調査の重要性と、地盤調査の種類について解説しました。この記事では、地盤調査結果でわかる具体的な項目であるN値、地盤の種類、地下水位について、さらに詳しく解説します。まず、N値についてです。N値は、SWS試験(スクリューウエイト貫入試験)で測定される、地盤の硬さを示す数値です。SWS試験では、スクリューポイントを地盤に回転させながら貫入させ、その抵抗値を測定します。この抵抗値を数値化したものがN値です。N値は、地盤の硬さを表す指標として用いられ、一般的に、N値が高いほど、地盤が硬く、建物を支える力が強いとされています。N値の目安としては、N値が30以上であれば、比較的良好な地盤と言えますが、N値が10以下であれば、地盤改良が必要となる可能性が高いです。N値は、地盤の深さによって異なる場合があります。例えば、地表面付近は軟弱な地盤であっても、地中深くなると硬い地盤になる場合もあります。そのため、地盤調査報告書では、深さごとのN値が記載されている場合が多いです。次に、地盤の種類についてです。地盤は、様々な種類があり、それぞれ性質が異なります。主な地盤の種類としては、砂質土、粘性土、ローム層、礫質土などが挙げられます。砂質土は、粒子の粗い土で、水はけが良いという特徴があります。一方、粘性土は、粒子の細かい土で、含水率が高いと軟弱になるという特徴があります。ローム層は、火山灰が堆積した土で、保水性が高いという特徴があります。礫質土は、砂や粘土の中に、礫(れき)と呼ばれる石が混じっている土で、地盤改良が必要となる場合が多いです。地盤の種類によって、地盤の強度や、地下水の状況などが異なるため、地盤の種類を把握することは、地盤対策を検討する上で非常に重要です。最後に、地下水位についてです。地下水位とは、地中に存在する水の水位のことです。地下水位が高いと、地盤が軟弱になったり、液状化現象が発生したりする可能性があります。また、地下水位が高い場合は、基礎工事の際に、排水対策が必要となる場合があります。地盤調査報告書では、地下水位が測定され、記載されています。これらの情報を総合的に判断し、地盤の状態を評価します。これらの情報から、地盤の状態を把握し、適切な対策を講じるための基礎知識を身につけましょう。