蛇口の水漏れに直面したとき、多くの人が最初に考えるのが「パッキンの交換」ではないでしょうか。私も例外ではありませんでした。ホームセンターに行けば、様々なサイズのパッキンが手に入りますし、交換手順も比較的簡単そうに見えたからです。実際に交換作業に取り掛かる前に、まずは止水栓を閉めて水が出ないようにする準備をしました。その後、蛇口のハンドル部分を分解し、劣化したパッキンを取り出しました。長年の使用でパッキンは硬化し、ひび割れている部分もありました。新しいパッキンを装着し、逆の手順で蛇口を組み立て直しました。すべての作業を終え、止水栓を開けて蛇口をひねると、なんと水漏れがぴたりと止まっているではありませんか。この瞬間の達成感は忘れられません。自分で問題を解決できたという喜びは、想像以上に大きいものでした。しかし、パッキン交換で解決しないケースもあることを、この時はまだ知りませんでした。蛇口の水漏れを「大したことない」と放置してしまうと、思わぬ大きな問題に発展する可能性があります。まず、最もわかりやすいのは水道料金の増加です。ポタポタとわずかに漏れる水でも、一日、一週間、一ヶ月と積み重なれば、かなりの量になります。これは家計に直接的な負担をかけることになります。さらに、水漏れがシンク下や床下で発生している場合、木材の腐食やカビの発生を招き、家の構造に深刻なダメージを与える可能性があります。カビはアレルギーの原因にもなり、健康被害を引き起こすこともあります。また、水漏れが原因で床が滑りやすくなり、転倒事故につながる危険性も考えられます。集合住宅の場合、下の階への水漏れが発生し、損害賠償問題に発展するケースもゼロではありません。わずかな水漏れだと思っていても、放置することで取り返しのつかない事態になる前に、早めの対処が何よりも重要です。
蛇口のパッキン交換に挑戦